家庭や企業で余っている食品を集め、必要としている人に提供する「フードバンクとまこまい」が、食品寄付の落ち込みで運営の危機に陥っている。フードロス対策の加速を背景に企業からの寄付が大きく減少し、個人の善意で何とか成り立っている状況という。事務局の松崎愛さんは「物価高騰などで支援を必要としている人は市内でも増えている」とし、協力を呼び掛ける。
フードバンクとまこまいはワーカーズコープの有志らが中心となり、2016年7月に設立。事務局の放課後等デイサービスぽっけ(光洋町)をはじめ、市内のコミュニティセンターや郵便局、食品スーパー、市社会福祉協議会などで缶詰、乾麺、菓子、米といった食品の寄贈を受け付けている。生活困窮者に個別配布しているほか、子ども食堂に分配したり、主催する地域食堂で提供したりしている。
23年度の食品取扱量は約14トンだったが、今年度は昨年12月末時点で約7トンと半減。これまでの実績を踏まえると、年度末で9トン程度にとどまると試算している。松崎さんは「企業のフードロス対策が進んで余剰食品が減ったり、価格高騰で食品を買い控える家庭などが増えたりしたことが寄贈量減少につながったのでは」とみている。
一方で、フードバンクへのニーズは高まっており、市の総合福祉課や市社会福祉協議会などを通じ、食品受け取り希望の連絡が途切れることなく寄せられている。松崎さんは「これまでは賃金で生活できていたけど、物価高で一気に成り立たなくなり、助けを求める人が増えている」と指摘。特に家計や育児の負担を1人で背負うひとり親からの相談が目立つという。
限られた食品が必要とする人に満遍なく行き渡るよう、事務局は一度の提供量を減らすなど調整。「ぽっけ」で食品の管理、受け渡しを担当する笹嶋朋美さんは「遠くから歩いて食品を受け取りに来る人もおり、心苦しいがある分でやりくりするしかない」とため息を漏らす。
松崎さんは「食品を受け取る人の中には、誰かに気に掛けてもらえたことや、『一人じゃない』と実感できたことを喜ぶ人もいる。フードバンクを存続させるため、より一層活動の周知や協力の呼び掛けに力を入れたい」と話している。
















