道内経済概況 「緩やかに持ち直し」 1月総括判断、据え置き 公共工事、住宅建設は上方修正

道内経済概況 「緩やかに持ち直し」 1月総括判断、据え置き 公共工事、住宅建設は上方修正

 北海道経済産業局は、1月の道内経済概況を発表した。総括判断は「一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに持ち直している」とし、4カ月連続で据え置いた。主要項目別では、公共工事と住宅建設の2項目を上方修正した。

 昨年11月の経済指標を中心として、12月以降の企業・団体へのヒアリングを加味して判断した。先行きについては「国際経済の動向等を十分注視する必要がある」としている。

 主要項目別では、公共工事を前月の「減少した」から「増加した」へ上方修正した。判断の引き上げは3カ月ぶり。11月の公共工事請負金額が前年同月比21.9%増と、3カ月ぶりに前年を上回ったため。国、道、市町村は前年を下回ったが、独立行政法人などの「その他」が大幅に増加した。

 住宅建設も前月の「低下している」から「持ち直しの兆しがみられる」へ上方修正した。判断の引き上げは4カ月ぶり。11月の新設住宅着工戸数が前年同月比31.8%増と2カ月ぶりに前年を上回ったため。持ち家、貸家、分譲全てで前年を上回った。

 生産活動は2カ月連続で「持ち直しの兆しがみられる」と判断を据え置いた。11月の鉱工業生産が前月比0.3%増と3カ月連続で上昇したが、前年同月比では3.7%減と6カ月連続で低下している。化学・石油石炭製品工業、鉄鋼・非鉄金属工業、金属製品工業など5業種で上昇。一般機械工業など8業種が低下している。

 個人消費は5カ月連続で「改善の動きに足踏みがみられる」と判断した。11月の個人消費は百貨店など3業態は前年を上回ったが、スーパーなど4業態が前年を下回ったため。企業からは「高級ブランドの商品や化粧品などの売り上げは前年を上回った」(百貨店)、「買い上げ点数は伸び悩んでいるものの、値上げの影響や販売促進の取り組みなどから売り上げが増加した商品もみられた」(スーパー)との声が寄せられた。

 観光は引き続き「改善している」と判断。11月の来道客数が前年同月比13.5%増と6カ月連続で前年を上回ったため。ヒアリングでは「11月の観光客数は、前年同月と同程度となっている。ただ、閑散期となるので、10月と比べると1割ほど少ない」(観光協会)との声が上がっている。

 民間設備投資と雇用動向の2項目の判断は、前月から据え置いた。

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