むかわ町の新たな地域おこし協力隊員として、川崎市から来た城(じょう)泰成さん(53)、純子さん(54)夫婦が1日付で就任した。任期は来年3月までだが、最大3年間の延長が可能。穂別地区で生活しながら泰成さんは地域商社の事務所がある鵡川地区、純子さんは町役場穂別支所内の恐竜ワールド戦略室で町の活性化に尽力する。
泰成さんは和歌山県出身で長年県庁に勤務。主に商工関係の部署で地場産業の育成や中小企業の振興などを担当していた。昨年早期退職し、川崎市に移った。今後について「漠然とだが、北海道に興味があった。地域おこし協力隊として活動したいと思っていた」と言う。
そんな中、恐竜化石や地元の特産品を生かした商品開発や販路拡大などを通じて町の活性化を目指す、むかわ地域商社「M・Dino(エム・ディノ)」で協力隊を募集していることを知り、「興味が湧いたし、自分のキャリアに一番合っている。参考になる助言や何かの役に立てるのでは」と思い、すぐに飛び付いた。
純子さんも恐竜化石の知識はなかったが、「実家のある福井には恐竜博物館がある。身近に感じたし、良いきっかけになるのでは」とそろって応募し、今月から晴れて隊員になった。
泰成さんは「想像していた通り。牧場があるし、道は真っすぐだし、北海道のイメージそのもの。苫小牧も思ったより近く、来てみて暮らしやすいなと思っている」と町の印象を語り、地域商社の一員として「せっかく地域、観光の資源がある。1次産業の販路拡大やブランド価値の向上などで一つでも成果を上げられたら。むかわ竜の裾野も広げていきたい」と意欲をうかがわせた。
純子さんも「自然が多く、気持ちが良い。動物が近くにいっぱいいて面白い町です」と気に入った様子。現在はむかわ竜をはじめとする化石の知識を深めつつ、今後に控える町子ども化石くらぶ「ハドロキッズチーム」などのイベントに向けて準備をしている段階だ。「改めてむかわ竜は有名なのだと実感した。専門家ではないが、習得したことを子どもたちに伝えていけたらと思う。むかわと福井を恐竜化石でつなぐ橋渡しもできたら」と希望を抱く。




















