JR苫小牧駅南口の旧商業施設「駅前プラザエガオ」をめぐる民事訴訟の控訴審で、札幌高裁が8日、訴訟当事者の大東開発と苫小牧市に和解勧告したのを受け、双方は今後、具体的な協議に入る。一審と同様、主張は全面的に対立しており、判決までに和解が実現するかは依然として不透明だ。
控訴審第1回口頭弁論で市側は、同社が土地を取得した2014年2月時点でビル運営会社の経営破綻(はたん)は濃厚だったとし、改めて「不当な利益を得ることが目的」と指摘。訴訟自体も「市の費用負担で建物を収去させようとする意図に基づいたもの」と問題視した。また、駅前の廃虚化を防ぐための公共的見地から民間の建物と土地の権利集約に動いたとし、「中間的な受け皿として建物を所有したにすぎない」と弁明。一審判決の取り消しを求めた。
これに対し、大東側は一審同様、土地の取得について同社の三浦実会長が社長を務める菓子メーカー「三星」の店舗を発祥の地で再建する目的と強調。「土地取得後、市に対して補償を要求したことは一度もない」と訴えた。
市の権利集約が無償譲渡で進められている点に関しても「公共的見地による要請であっても、不動産を寄付すべき義務はない」と指摘。同社が支払い続けている固定資産税について、市が納付済み分を含め返還する考えを示したことにも「土地の寄付が前提。寄付しない限り納付は継続することになる」と反論。争う姿勢を示した。
同日、札幌高裁は和解を勧告した上、判決の言い渡し日を10月30日と指定。和解が成立しなければ、約3カ月半後に判決が出る。市の木村淳総合政策部長は取材に対し、「一刻も早く解決し、駅前の再整備を進めたい。相手方とまちづくりの視点で、一緒になれるところもあるはず」と話した。三浦会長は「和解に向けた話し合いにはいくらでも応じるが、一方的に市に都合の良い内容になるなら和解にはつながらないと思う」と述べた。
同訴訟は民間所有だった旧エガオビルの権利集約に動いた市に対し、土地の一部を持つ大東側が賃料相当分の損害賠償を求めて提訴。一審判決では大東側が全面的に勝訴し、賃料相当分など583万円の支払いが市に命じられた。
















