えりもで大津波痕跡調査 400年前の堆積土砂確認

えりもで大津波痕跡調査 400年前の堆積土砂確認
ジオスライサーから標品を採取する作業

 東京大学大気海洋研究所の中西諒研究員による大津波痕跡調査が6日から3日間、えりも岬百人浜などえりも町内3カ所の低地帯で行われた。

 国の地震調査研究推進本部によると、太平洋東部の千島海溝沿岸では約340~380年間隔で東日本大震災に匹敵する地震と津波が発生すると推定している。内閣府有識者検討会も4月21日、「前回の巨大地震発生から400年が経過しているので、太平洋東部沿岸は切迫した状態にある。日高管内では、えりも町沿岸に最大28メートルの津波が押し寄せる」と公表している。

 6日の堆積物調査では、中西研究員が道道襟裳公園線と百人浜パークゴルフ場の中間地点の森林地帯から採取した土壌で、17世紀に堆積した津波によるとみられる砂混じりの痕跡を確認した。調査は、鋼鉄製のジオスライサー(地層抜き取り装置)を地表からハンマーで60センチの深さまで打ち込み、てこを使って引き上げ、それに薄い布をかぶせて凝固材で固定し、標品として保存する。

 中西研究員は、400年前の堆積土砂が確認できたことから、4月の内閣府公表を参考に最悪の事態に備える必要性を強調していた。

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