高校生が調査授業 えりもの海もプラごみ

高校生が調査授業 えりもの海もプラごみ
採取した海中浮遊物からプラごみを選別

 えりも町のえりも高校はこのほど、襟裳岬周辺海域のマイクロプラスチック調査授業を行った。生徒3人と佐藤健校長ら教諭、えりも観光協会員、町役場職員など20人が2日間にわたり、講話と海岸現地調査でプラスチック汚染が抱えている問題点を学んだ。

 道が北海道コカ・コーラボトリング(札幌市)、公益財団法人北海道環境財団と共同で行っている「北海道e―水プロジェクト」の一環。道内の水辺で環境保全活動を行う団体の事業を助成する。今年度の支援団体にえりも観光協会(菅沼敏昭会長)が採択された。マイクロプラスチックによる海洋汚染は、漁業と観光の町・えりも町にとって重要課題なことから、えりも観光協会が高校生に課外授業への参加を呼び掛け、石川雄登君(2年)、田中恵菜さん(3年)、大平絵梨さん(同)の3人が受講した。

 初日は講話で、マイクロプラスチックの状況と網走川流域の取り組みについてオホーツク管内美幌町博物館の町田善康学芸員が、北海道コカ・コーラボトリング社によるペットボトルのリサイクルの取り組みを同社の千葉洋平地域連携担当課長が説明。このうち町田学芸員は、日本近海はポイ捨てのプラごみであふれていて、紫外線や波で劣化・微小化したマイクロプラスチック(5ミリ以下)ごみを海鳥や魚類が摂取し体内に蓄積されているなど、網走川や近海の調査事例で挙げた。

 翌日は、えりも岬漁港近くの海でプランクトンネットを使って海中から浮遊物を採取し、えりも高理科室で分析講義を行った。高校生らはマイクロプラスチックをピンセットで選別して解剖顕微鏡で観察。町田学芸員は「プラごみは世界中の海に大量に浮遊している。プラスチックを使わない生活を考えよう」と呼び掛けた。

 受講した大平さんは「将来は大学で環境問題を学びたい。海洋汚染防止への課題にも取り組みたい」などと話した。生徒たちは今後、観光協会の協力を得てえりも沿岸の海洋調査を数回実施し、10月に報告会を開催する予定だ。

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