東京都を中心に新型コロナウイルス感染者が増加傾向にある中、白老町のタクシー会社・白老交通(山本浩平社長)は、所有する全車両に飛沫(ひまつ)感染防止のビニールシートを取り付けた。民族共生象徴空間(ウポポイ)が開業した白老町への観光客増加が見込まれるだけに、同社は「タクシーも感染対策を講じ、観光客に安全なまちをアピールしたい」としている。
半透明で厚手のビニールシートは、車内の前座席と後部座席を仕切る形で取り付け、ドライバーと乗客の飛沫感染を防ぐ。通常の小型タクシー10台とジャンボタクシー2台のほか、同社が町の業務委託を受けて運行している予約制デマンドバスにも設置した。
小型タクシーに付けたシートは幅1・3メートル、縦0・7メートルの大きさ。シートの下部から乗車料金の受け渡しができ、後部座席に冷暖房の風も届くよう工夫した。
車内は密閉、密集、密接の「3密」状態になりやすい。東京を中心に全国各地で新型コロナ感染が再び拡大し、第2波の様相を見せる中、ドライバーと乗客の安全を確保するために対策を講じたという。
また、ウポポイの見学や白老観光で町へ訪れる観光客に対しても、「タクシー利用の安心感を抱いてもらいたい」とする。
各方面で感染対策が求められている中、小売店のレジや役所の窓口など、飛沫感染防止のビニールシートを取り付ける動きが拡大。タクシー業界も徐々に設置が進みつつある。同社の山本社長は「ドライバーの検温やマスク着用、換気や車内消毒も徹底し、乗務員、乗客が共に安心できる態勢にしていきたい」と話す。

















