胆振東部地震から復興 まちなか再生へ議論始まる むかわ

胆振東部地震から復興 まちなか再生へ議論始まる むかわ
鵡川地区のまちなか再生に向けて行われた検討会

 2018年9月に発生した胆振東部地震で、大きな被害を受けたむかわ町のまちなか再生に係る検討会(鵡川地区)が27日夜、町役場に併設する産業会館で開かれた。来年3月までワークショップを取り入れた会議のほか、学習会を通じて住民の意見を吸い上げながらまちなか再生計画の基本構想案を作る。鵡川、穂別両地区の中心市街地の現状と課題を踏まえ、打開策を模索してまちの再生、復興につなげていく。

 一昨年の地震により、鵡川地区はメインストリートの中央通りで空き店舗を含む店舗併用の住宅が全壊、大規模半壊し、多くの建物が解体されたことから空洞化が顕著だ。穂別地区でも旅館業など廃業する事業者が出ている。

 検討会は町とアドバイザーとなる道立総合研究機構建築研究本部、商工会や観光協会などの団体、一般から募った町民からなる委員で組織。当初3月の開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催を見合わせていた。

 初回の検討会で竹中喜之町長が委員一人ひとりに委嘱状を手渡し、「なりわい、にぎわい、趣として必要とされるまちなかの復興。息の長い新しい価値作りに向けて、全体の機運の盛り上がりになれば」と期待を寄せた。

 この後、同本部の松村博文・北方建築総合研究所副所長が、鵡川地区の人口減少を分析しながらまちなかの状況について「商業だけで再生するのは難しい。生活利便性を生かした多様な住宅などがあってもいいのでは」と指摘。町外から通勤する人や高齢者の転出が多い傾向も指摘し、▽まちなかへの住宅の集中投資▽顔の見えるターゲットの定住促進―を提案した。

 また、「都会のまねではなく、田舎ならではの良さを生かしてみては」などと提言した。

 穂別地区の検討会は日程を調整している。

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