のぼりべつクマ牧場 ロープウエーに「チセ」 アイヌ伝統家屋空を飛ぶ

赤色LEDを光らせたいろりを設け、チセの伝統を再現

 のぼりべつクマ牧場(登別市)のロープウエーに、アイヌ民族の伝統家屋チセをモチーフにしたゴンドラがお目見えした。白老町のアイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)開業を記念した企画。空飛ぶチセは観光客の目を楽しませている。

 カント・チセ号と名付けたゴンドラは、牧場で飼育するクマの餌などさまざまな物資を運ぶ貨物用を活用し、職員らが3週間ほどかけて手作りした。カントはアイヌ語で空、チセは家を意味し、空中に浮かぶ家をイメージした。

 大きさは幅と高さが各1・6メートル、奥行き1・15メートル。かやぶきのチセに似せるため、すだれの素材を利用して屋根や壁を仕上げ、内部にいろりを設けるなど伝統家屋を再現。炉の中で赤色LED(発光ダイオード)を光らせ、火が燃えているように工夫した。製作に当たっては、牧場施設内のアイヌ文化体験エリア「ユーカラの里」に並ぶ3棟のかやぶきチセを参考に、凝った造りにした。

 クマ牧場は、ウポポイ開業後の17日にカント・チセ号の運行を開始。11月20日まで続ける予定だ。人を乗せることはできないが、片道1・2キロのロープウエーを7分半かけて上ったり、下りたりするユニークなゴンドラの光景が観光客らを喜ばせている。

 クマ牧場総務課の吉田廣勝係長は「ウポポイの開業で登別温泉も観光客の増加に期待しているところ。ウポポイを盛り上げ、北海道のアイヌ文化をアピールしたい」と話す。施設の営業時間は午前9時半から午後4時半。

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