白老町の大町商店街に、地域の芸術文化を支援するギャラリーが誕生した。自ら絵画やアート写真などの創作を続けてきた村上隆幸さん(69)=同町石山在住=が今月開設した。ギャラリーでの作品展示は原則無料とし、「地域住民の文化活動を後押しし、交流の場にもなれば」と言う。
「白昼夢」と名付けたギャラリーは、村上さんが大町3の空き店舗(延べ床面積約100平方メートル)を借りて開設。自身の油絵や写真作品を展示しているほか、趣味で集めたエレキギターやフォークギターも並べている。作品展示スペースの利用は原則無料とし、観覧料も取らない。玄関付近に盲導犬協会へ寄付する募金箱を置いているだけだ。
村上さんは旭川市の高校を卒業後、東京都の学校でデザインやコンピューター情報処理を学び、都内の金融機関でサラリーマン生活を過ごした。40歳で脱サラし、新潟県内で飲食店などを経営。働きながら絵画や写真を学び、道内外で個展を開いてきた。
自営業に区切りを付けて10年前、親の介護のため新潟県聖籠町から旭川市へ戻った。親を亡くした後、第二の人生を楽しもうと2017年、白老町へ移住。年金生活を送る中で「社会のために何か役に立ちたい」と思い立ち、白老や近郊のまちの住民の芸術文化活動をサポートするギャラリーを開くことにした。
開設後、若者から高齢者までさまざまな年代の人たちがふらりと訪れて、村上さんの作品を鑑賞したり、展示しているギターを手に取って奏でたりと、気取りのない自由な雰囲気の空間を楽しんでいる。地元高校生のイラスト作品も壁に飾っており、「例えばプラモデルの作品をギャラリーへ持ち込んで、展示してもらってもいい。個人やグループの作品発表の場として利用してもらいたい」と話す。
家賃や光熱費など管理費は自身の年金で賄い、ギャラリーから得られる収入は皆無だが、「自分も創作に取り組んできたこともあって、趣味の活動を応援したいという思いがある。先日は写真撮影を楽しむ苫小牧市の夫妻が足を運んでくれた。さまざまな人が出会い、つながる場所になれば」と話す。
絵画、写真、工芸など各種ジャンルの作品出展者を募集している。
問い合わせは村上さん 携帯電話090(2537)1703。

















