むかわ町穂別地区で発掘されたハドロサウルス科の草食恐竜「カムイサウルス・ジャポニクス」(通称むかわ竜)が、世界各国の生物学的才能を誇る中高生を対象にした祭典「国際生物学オリンピック2020」の金メダルデザインに採用された。町は「世界の若者が集まる場所でカムイサウルスを発信し、今後のまちづくりにつなげたい」と期待する。
同オリンピックは、全世界の生物学を志す高校生や中学生が一堂に会し、問題を解く能力などを競う国際大会。1990年に当時のチェコスロバキアで第1回大会が行われた。31回目を迎える今年は81カ国から参加者が集う。当初7月に長崎県で開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえてリモートでの開催(試験8月11、12日、結果発表同24日)となった。
メダルのデザインに採用された経緯は、日本での開催に当たって大会事務局がむかわ竜の存在を知り、昨年10月、北海道大学総合博物館の小林快次教授に相談を持ち掛けたのが始まり。町は「子どもたちが生物学をはじめとする『学び』への関心をいっそう高めるきっかけになれば」と願う。
竹中喜之町長は「北海道、日本の宝でもあるカムイサウルスがメダルのモチーフとして採用されたことは大変光栄なこと。過去からよみがえった恐竜化石を含め、子どもたちが新たな科学、生物学に関心を持ち、地球の成り立ちを考える機会になれば」と話し、同時に「カムイサウルスは竜神ということで、コロナウイルスの疫病も退治してほしい」と願いを込めた。
銀メダルには「ニッポニア・ニッポン」(トキ)、銅メダルには「カメリア・ジャポニカ」(ヤブツバキ)が使用される。

















