苫小牧 子どものための選定図書 〔9〕 【中学生向け】 「ふるさとって呼んでもいいですか」 著 ナディ/解説 山口元一

苫小牧 子どものための選定図書 〔9〕
【中学生向け】 「ふるさとって呼んでもいいですか」 著 ナディ/解説 山口元一

 ふるさとと聞いて、皆さんが思い浮かべる場所はどこだろうか?

 イランで生まれたが6歳で「移民」となり、20年以上も日本に住んでいるナディにとって、そこに「なつかしさ」を感じることはできないと言う。一方で、幾つになっても日本人からは「外国人」扱いされる。彼女のふるさとは一体どこなのか…。

 国際化・異文化交流がうたわれる今、たくさんの肌の色・文化・宗教の違う人たちが、同じ場所で活動することが増えていく。そのときに改めて考えたい。「外国人」とは何か? 小学生の頃から共に学校生活を送っていても、生まれた国や肌の色だけで「区別」するものだろうか?

 自分が日本以外の国に行ったとき、どのように受け入れられるだろう…。ナディの経験や意見を通して、自分の中の考えを整理してほしい。「国際化」「多様性」とは何か、考える一冊だ。

 (大月書店 税込み1760円)

 苫小牧啓明中学校

迎賀子

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