白老町を拠点に活躍した版画家・故大野重夫さんの作品展が、同町大町のカフェ結で開かれている。ポロト湖やヨコスト湿原など白老の自然風景を題材にした作品を店内に飾り、地元愛に満ちあふれた作風を紹介している。
大野さんは1930年に札幌市で生まれ、旧鵡川町(現むかわ町)で育った。大学卒業後、中学校の美術教員となり、長く白老中の教壇に立った。その傍ら北海道版画協会所属の版画家として活躍。米国ボストン市での北海道木版画作家展、道立近代美術館での同協会会員展など数々の展覧会に出品し、作品を通じて白老の美しい自然をアピールした。
大野さんは2017年11月に88歳で死去したが、生前、親交を深めた同町竹浦の佐藤春光さん(69)=社会福祉法人ホープ常務理事=が「白老を愛した大野さんの版画にもう一度、光を当てたい」と展示会を計画。大町商店街のカフェ結を会場に、遺族から預かった作品を紹介している。
店内では、ミズバショウが咲き誇るポロト湖の春風景、樽前山を背景にした夏のヨコスト湿原、冠雪した窟太郎(くったろう)山、海岸のハマナスなど、白老の四季折々の自然を繊細なタッチで鮮やかに表現した木版画を中心に11点を展示。佐藤さんは「白老の自然を愛し、後世に残したいと願った大野さんの思いを伝えたい」と話す。
作品展は8月末まで開催し、途中で入れ替えも行う。大きさにより2000円台から2万円台の価格帯で販売もしている。






















