日本酒「海桜丸」陸揚げ 海底で2カ月熟成 まろやかに 新ひだか

日本酒「海桜丸」陸揚げ 海底で2カ月熟成 まろやかに 新ひだか
農協で「海底貯蔵」「船底貯蔵」のラベル貼り作業

 しずない農協や新ひだか観光協会などで組織する「新ひだか町地酒づくり協議会」(会長・佐藤雅裕観光協会長)はこのほど、海底に約2カ月間貯蔵した日本酒「海桜丸(かいおうまる)」(瓶詰720ミリリットル)を新ひだか町内の春立漁港に陸揚げした。今年で2年目の取り組み。

 「海桜丸」は昨年、静内豊畑の農業法人豊穂(日蔭由昭代表)の水田35アールで酒造好適米「彗星」を栽培し24俵分(1・44トン)を収穫。醸造は、空知管内新十津川町の老舗酒造会社・金摘酒造に委託していた。

 同協議会は、「海桜丸」の付加価値づくりで春立漁港の沖合約2キロの海底約50メートルに酒を沈めることにした。併せて東静内漁港に停泊する漁船の船底にも300本貯蔵した。

 サケ・マス定置網元の大沢漁業部(大沢晃弘社長)の協力で貯蔵試験を実施。海底貯蔵した酒はより熟成が進み、まろやかになりおいしさを増すと言われる。昨年は海底貯蔵で約100本が破損したことから、今年は小型容器(約20本詰め)に分けたり、瓶を二重の真空パックにしたりと貯蔵方法を工夫した。

 海桜丸に「海底貯蔵」「船底貯蔵」のラベリング作業などを施して、11日からAコープ静内店で「海底貯蔵」は1本2500円(税込み)、「船底貯蔵」は1本2300円(同)で限定販売している。

 販売を手掛ける丹野潤一しずない農協営農部長は「今年は破損がゼロ。来年はさらに高みを目指し、上川大雪酒造に委託して質の良い酒造りに挑戦したい」と話していた。

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