コロナ まちづくりにブレーキ 恐竜事業足踏み状態 むかわ

コロナ まちづくりにブレーキ 恐竜事業足踏み状態 むかわ
昨年の「恐竜博」で一躍注目を浴びたむかわ竜。今年度はまだ公に登場する機会がない

 新型コロナウイルス感染拡大の影響が、むかわ町が力を注ぐ全身恐竜化石「カムイサウルス・ジャポニクス」(通称むかわ竜)など恐竜化石を生かしたまちづくりに大きな支障を及ぼしている。恐竜博での全国デビューや新属新種の認定、国内外で注目された昨年度から一転、今年度は道内で全身復元骨格(レプリカ)の出展要請のあった展示会が軒並み中止となったほか、化石発掘ツアーなどイベント関係も取りやめや延期が続くためだ。町が示す「恐竜ワールド構想推進計画」の最終年度でもあり、関係者は頭を痛めている。

 町恐竜ワールド戦略室によると、インターネットで資金を募る「クラウドファンディング(CF)」を活用しておおむね完成している新しいレプリカだが、CFで1口15万円の寄付をした12組によるレプリカの腕や足に色を付けてもらうイベントは見合わせている状態。その後に計画していた一般公開も先延ばししている。

 レプリカの関係では、6月から3カ月にわたって札幌の北海道博物館で予定していた「恐竜展2020」が中止となったほか、7月以降も組まれていた道内での出展がすべてなくなった。

 しかも新しいレプリカは、まだ町民にもお披露目できていないのが現状。「何とか見てもらう機会をつくりたい」と同戦略室の担当者はため息交じりに話す。

 イベント関係では、旅行会社のJTBが主催する化石の発掘体験ツアー「MUKAWAダイナソー・アドベンチャー」も昨今の情勢を踏まえて中止となった。普段立ち入ることができないむかわ竜の化石が発掘された現場で、アンモナイトの化石などを探すほか、化石のクリーニングを体験してもらう夏休みの特別企画だった。今月8~10、15、16日の計5日間合わせて50組ほどの申し込みがあったが、半数以上が本州からの参加のため、主催者は開催を断念せざるを得なかった。

 同戦略室は「本来やるべき『人を呼ぶ』『外に出て行く』ということが閉ざされている状況。表に出て行けないのが悩みの種」と嘆く。当面は商品開発など地元での機運醸成をサポートしながら、今後に向けて「感染症対策を踏まえた実施方法の模索も検討していかなければいけない。ウィズコロナ、アフターコロナの基盤をつくっていきたい」と話している。

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